風の便り episodo.35 


中山道 日本橋三越前
結婚
 実は僕たち、かなりの新婚である。この中山道出発の時点では、まだ結婚式すらしていない。ショーウィンドウの中の二人を見て、憧れていたときである。それぞれ、もう二度と結婚なんてと決めたはずの二人がこうして中山道を歩いているのが不思議である。何故?と問われれば、「寂しかった」が正解かも知れない。一度家庭を持った我々は、一度失敗したけれど、もう一度やり直してみたいという、エネルギーがあった。駄目で元々。こうなったら、気の合う相手が見つかるまで何度でも・・・と二人とも思っていた。そんな二人プラス二人が向かった中山道。実に面白い旅になった。日常は、それぞれの生活があり、一緒に住んでいても、その中で別々に暮らしている。そんな家族が、前回のゴール地点に立ったとき、「帰ってきた」という気持ちが溢れる。家族の再会である。そこから家族が、夫婦が再開するのである。
 結婚って面白いものである。全てが結婚だと思っていた若い頃。長い一緒の時間の中に、たった一瞬だけで結婚を感じる今。中山道の旅は、旅にあらず結婚そのもののように、僕たちに問いかける。

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