風の便り episodo.30 


中山道 馬籠宿にて
夢の跡
 中山道を歩いていて、とんでもないものを見つけてしまった。中山道を歩く誰でも目にする場所にある”夢の跡”だが、紹介されたサイトは知らない。本編でも紹介したいほど魂を揺さぶられたのはジェネレーションなのだろうか。
 こんな素敵な場所に、こんな素敵な店を創ったのは誰だろう。これが湘南だったらと思うのは普通の人、普通の人じゃない人が、普通の人じゃない人をターゲットに創った店、そんな感じが普通の人じゃないと思っている私の心にガーンと響いた。
 夜になると、JAZZボーカル、そうだアニタ・オディなんていいかもしれない、バードランドの子守歌をバックに夕日を見つめるマスターがあの窓に見えるような気がする。そしてそれは空襲で焼けた神戸の街を見つめる火垂の墓の兄妹の視線にも通じるような錯覚に陥る。
 ある意味で造られた江戸時代の街並みを見せられてきた後にこのマリリンモンローは衝撃的であった。藤村に浸っていた自分は冷水を浴びせられ、そしてこの店を創った人に、夜明け前に苦悩した半蔵が重なった。
 店の名前は"QUESTION"。疑義・論点・提議という解釈もある。あまりにも卓越した店。誰にも理解が得られず去っていったのか。もしここで、夕日を見ながらクリス・コナーのレコードをバックにバーボンが飲めるのなら、きっと来ると約束しよう。

戻る