風の便り episodo.1 

京都先斗町・三福

東海道を旅していて,色々な宿に泊まるが旅の終わりは何処へと考えた。といっても別に心当たりが有るわけでもない,祇園とか先斗町がいいかなと思い,三条大橋にほど近い先斗町を選んだ。ところがこの宿夕食は出ませんと来た。旅人が楽しみしているのは,食事じゃないか。その食事が出せないとは,なんて宿だと腹を立てようとしたら,主人に言われてしまった。先斗町は一歩外に出れば,食べるところは選り取りみどり。いくらでも案内致します。驚いたことに主人は,色々な客に合わせるように,お奨め料理屋のリストを,部屋に持ってきて一軒づつ丁寧に説明を始めたではないか。ちゃんと客の財布の中身まで計算し尽くした的確な推薦に,我々は屈してしまった。先斗町が鴨川を埋め立てて出来た町で,そもそも測量のポイント(オランダ語でポント)が町の名前の由来等々,京都の事を夜中まで教えてくれた主人。ここで生まれ育ち,本当にこの町を愛して止まない主人に感謝。

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